昼休みの活気の中で──品川表参道「台湾キッチンヨウジョウ」
品川表参道沿いを歩いていると、以前から目にはしていた「台湾キッチンヨウジョウ」。長く前を通ってはいたが、なかなか入る機会がなかった。今日は偶然、他の店が満席で初めて足を踏み入れることになった。
入店すると、驚くほど空席が多く少し不安になる。ところが、その直後からどんどん人が入ってくる。そして次々と詰めて座っていく客たち。どうやら常連さんたちは、この詰めて座るスタイルを自然に心得ているようだ。相席が前提のような活気が面白い。
ランチセットは種類が豊富で、自分はその中から定食を選んだ。運ばれてきた料理に一口、思わず驚いた。とにかく美味しい。ご飯が進む、絶妙なピリ辛加減。日本人の舌にも合う、ほどよいスパイシーさで、刺激的すぎず、物足りなさもない。そのバランス感覚が素晴らしい。
店内は非常に活気があり、周りを見渡すと近隣の職人さんや作業員、仕事途中の男性たちが多い。麺、炒飯、定食とそれぞれが好みのメニューを黙々と、時には仕事の話を交えながら食べている。戦場のような昼の時間だが、そこに嫌な慌ただしさはなく、むしろ心地よいリズムがあった。
音楽は流れておらず、店員の掛け声や料理の音がBGM代わり。インテリアは街の中華料理屋らしく、シンプルだが宴会もできそうな広さがある。大きなテーブルを並べ、自由に席を組み合わせられる造りになっていた。
食器はオーソドックスな中華食器。だが、杏仁豆腐用とご飯用で蓮華が二つ付いていたのは少し嬉しい驚きだった。ホールの女性スタッフはきびきびと動き、次々と席を調整しながらも、明るくテキパキと対応してくれた。
キッチンは見えなかったが、次々に注文が入り、それがスムーズに運ばれてくる。中はかなり忙しい様子だろうと想像がつく。
唯一、気になったのは店内の隅に少しホコリが溜まっていたこと。細かな清掃まで手が回っていないのかもしれない。けれど、そうした小さな部分を差し引いても、料理のクオリティは非常に高く、ぜひまた訪れたいと素直に思えた一軒だった。
台湾キッチンヨウジョウ
- 店名:台湾キッチンヨウジョウ
- 住所:東京都品川区北品川(表参道沿い)
- 音楽:なし
- インテリア:広め。大きなテーブルを組み合わせて宴会対応も可能な作り。やや清掃の行き届かない箇所あり
- 食器:街の中華屋の定番食器。蓮華が二つ付く配慮あり
- ホール:女性スタッフがきびきびと席の差配をし、明るく元気な接客
- キッチン:見えないが多様なオーダーを高速でさばいており活気がある

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