カイルア湾の朝、カメハメハ大王ゆかりの聖地、教会、王族の館、そして海辺の食卓へ
1 今日のテーマ カイルア湾に残る王国の記憶を、急がず歩いてたどる一日
この日は、ハワイ島コナで過ごす、のんびりとした一日であった。
前日は長い一日で、時差ぼけもあり、朝は少し遅く起きた。急ぐ予定は立てず、昨日の残りのポテトなどを朝食にして、ゆっくりと身支度を整えた。
この日の目的は、カイルア・コナの海辺に残るハワイ王国ゆかりの場所を歩くこと。カメハメハ大王が過ごしたとされる神聖な海辺、宣教師の来訪を伝える教会、王族が夏を過ごした館、そして港町のにぎわいを、観光というよりも記憶を拾うように眺める一日となった。
華やかなリゾート地としてのハワイと、王国の歴史を抱えた土地としてのハワイ。その二つが、カイルア湾の静かな水面に重なって見えた日であった。
2 基本情報 この日の訪問地と旅に必要な実用情報
滞在地 ハワイ島カイルア・コナ周辺 主な訪問地 カイルア湾、Kamakahonu周辺、Ahuʻena Heiau周辺、Mokuaikaua Church、Huliheʻe Palace周辺、ショッピングモール、Safeway周辺、ホテル内バー 移動手段 徒歩、無料バスまたはトロリー型の循環バスと思われる交通手段。運行時刻、乗り場、最終便は要公式確認。 食事 朝は前日の残りもの、昼はハンバーガーと地元ビール、午後はコーヒー店でアフォガート、夜はホテル内バーで軽食とドリンク。 注意点 一部のモールや店舗周辺では、雰囲気が寂しく感じられる場所もあった。徒歩移動時は明るい時間帯、表通り、人通りのある道を選ぶのが安心。 料金・営業時間 教会、宮殿、バス、レストラン、バー、ルアウショー等の料金・営業時間・予約可否は変動するため要公式確認。
3 一日の行程 朝の王国散歩から夜のホテルバーまで
時間帯 立ち寄り場所 内容 朝 ホテル 時差ぼけと前日の疲れもあり、のんびり起床。昨日の残りのポテトなどで軽く朝食。 午前 Kamakahonu周辺、Ahuʻena Heiau周辺 ハワイ王国ゆかりの海辺を歩き、カメハメハ大王が過ごした土地に思いを馳せる。 午前 Mokuaikaua Church周辺 宣教師来訪の歴史を伝える教会を訪ね、内部の空気や建物の佇まいを見る。 午前 Huliheʻe Palace周辺 ハワイ王族ゆかりの館を訪ね、小さく整った建物の雰囲気を味わう。 11:00頃 海辺のレストラン ブランチとしてハンバーガー、地元ビール、ポテト、黄色いパイを楽しむ。店名・商品名は要公式確認。 午後 バス停、ショッピングモール方面 無料バスまたは循環バスに乗り、海岸線を眺めながら移動。運行本数や最終便は要公式確認。 午後 ショッピングモール、スーパーマーケット、ドラッグストア 大型店舗を見て回り、ジュースなどを購入。モールの一部には寂れた印象もあり、治安面では注意が必要と感じる。 夕方 コーヒー店、郵便局、Safeway周辺 アフォガートを食べ、郵便局でスタンプを購入。Safewayで買い物をし、アメリカのスーパーの品揃えと価格を眺める。 夜 ホテル内バー ルアウショーは料金を見て見送り。ホテル内バーでココナッツシュリンプ、フィッシュサンドイッチ、パイナップルサイダーなどを分け合い、軽い夕食にする。
4 旅の情景 カイルア湾の静けさと、港町のにぎわい
朝のカイルア湾は、思いのほか静かであった。
昨日の疲れをまだ少し身に残しながら外へ出ると、海は青く、空気はやわらかく、町はすでに南国らしい明るさを帯びていた。まず向かったのは、かつてハワイ王国の中心であったとされる海辺である。
建物はすでに建て替えられ、観光地として整えられている部分も多い。だが、それでも土地そのものが持つ記憶は消えない。ここにカメハメハ大王がいたのだと思えば、海の見え方まで変わってくる。
カイルア湾は、ただ美しいだけの海ではない。人が集まり、船が出入りし、祈りが捧げられ、政治が動いた海であった。静かな水面を眺めていると、ここがかつてハワイの海の玄関口であったことが、理屈ではなく、肌で少しわかるような気がした。
ホテルのロケーションもすばらしかった。ここに泊まることにしてくれて本当によかったと思った。部屋から、あるいはホテルの周辺から、ハワイの中心であった場所を眺められる。そのこと自体が、旅の価値になっていた。
それから教会の方へ歩いた。宣教師がこの地に来たという歴史を思いながら、礼拝堂の中へ入る。外の陽光とは違い、内部にはひんやりとした時間があった。南国の明るさの中に、信仰と制度と異文化接触の歴史が静かに立っている。
続いて、王族たちが夏を過ごしたという館の方へ向かった。大きな宮殿というより、小ぎれいで端正な小さな邸宅という印象であった。海辺の風が入り、王国の華やかさだけではなく、暮らしの気配も感じさせる場所であった。
やがて港の方には、大型クルーズ客船Pride of Americaと思われる船が停まっていた。そこからお客さんが次々と陸へ入り、商店街のような観光通りを歩いていく。さきほどまで王国の記憶を歩いていた町が、今度は一気に観光地としての顔を見せる。クルーズ客船というものは、やはり偉大である。ひとつの船が来るだけで、町の空気ががらりと変わる。
5 歴史と背景コラム カメハメハ大王の海辺から、宣教師と王族の館へ
KamakahonuとAhuʻena Heiau カメハメハ大王晩年の政治と祈りの場所
カイルア・コナの海辺にあるKamakahonuは、カメハメハ1世ゆかりの重要な場所である。カメハメハ1世はハワイ諸島を統一した人物として知られ、晩年をこの地で過ごしたとされる。
Ahuʻena Heiauは、カメハメハ1世の個人的な聖所として位置づけられる場所である。現地の景観は観光地として整えられているが、この場所が単なる海辺の史跡ではなく、王権、宗教、政治、海上交通が重なり合った空間であったことを意識すると、眺める海の意味が深くなる。
ハワイ王国の歴史を考えるとき、カメハメハ1世は「統一の王」として語られる。しかし、統一とは単に勝利の物語ではない。島々を結び、外から来る勢力に対してハワイをひとつの王国として立たせるための、政治的な選択でもあった。カイルア湾の静かな海は、その大きな転換点を今も黙って抱えている。
Mokuaikaua Church ハワイにおけるキリスト教伝来の記憶
Mokuaikaua Churchは、ハワイ諸島におけるキリスト教伝来を考える上で重要な教会である。19世紀前半、アメリカから宣教師が到着し、ハワイ社会には信仰、教育、文字文化、西洋建築など、さまざまな変化がもたらされた。
現在の石造建築は1837年に完成したとされる。南国の明るい海辺に立つ教会でありながら、その存在はハワイ王国が世界と接触していく時代の象徴でもある。宣教師の来訪は、教育や文字化を進めた一方で、伝統的な信仰や社会制度との関係に大きな変化を生んだ。
旅人として教会に入ると、そこには観光名所という以上の静けさがある。木の梁、石の壁、礼拝堂の空気。それらは、ハワイが島々の王国から、世界史のただ中へ入っていった時代を思わせる。
Huliheʻe Palace 王族の休息とハワイ王国の面影
Huliheʻe Palaceは、1838年にハワイ島の高位首長John Adams Kuakiniによって建てられた、王族ゆかりの建物である。大きな宮殿というより、海辺に立つ端正な館という印象が強い。
この建物は、ハワイ王族の休息、交流、生活の場としての性格を伝えている。王国の歴史は、戦いや政治制度だけでなく、そこで暮らした人々の生活感、家具、海風、部屋のしつらえにも宿る。
カメハメハ大王ゆかりの聖地、宣教師の教会、王族の館。この三つを歩いてたどると、カイルア・コナは単なるリゾート地ではなく、ハワイ王国の転換期を凝縮した小さな歴史地図のように見えてくる。
6 食の記録 ブルーチーズのハンバーガーと、フルーティーな地元ビール
11時頃になったので、ブランチにすることにした。
昨日食べたハンバーガーが少し残念だったので、この日は改めて、よさそうなお店でハンバーガーを食べてみることにした。私は、Tsunami Blueと思われるブルーチーズソースを使ったハンバーガーを注文した。商品名は要公式確認。
あわせて、地元のビールも頼んでみた。私はもともとビールが大好きというわけではなく、たまに飲む程度である。けれど、せっかくハワイ島にいるのだから、ここで飲めるものを試してみたかった。
出てきたビールは、とてもフルーティーで、少し甘みもあり、驚くほど飲みやすかった。ごくごく飲める軽やかさがあり、塩気のあるブルーチーズのハンバーガーによく合った。ポテトもおいしく、サービスしてくれた女の子も可愛らしく、気が利いていて、気持ちのよい食事になった。
お腹いっぱいに食べたあと、黄色いパイまで平らげて大満足であった。南国の昼、港町のにぎわい、塩気のあるバーガー、甘く香るビール。こういう食事は、旅の記憶に長く残る。
7 午後の移動 無料バス、ショッピングモール、そしてSafewayへ
食後にホテルへ戻ると、まだ清掃は終わっていなかった。そこで、すぐにまた外へ出て、バス停へ向かった。
バスはあまり時間通りに来ないと聞いていたが、この日はそこそこ時間通りに来た。無料バス、あるいは無料に近い循環バスのような交通手段で、車両そのものは特別に立派という感じではなかった。それでも、海岸線を走ると気持ちがよい。
運転手さんがいろいろと案内してくれていたが、英語が聞き取りにくく、はっきりとはわからなかった。ただ、このバスは午後にはもうあまり便がなく、次の便が最後かもしれないというようなことを言っていたように思う。次はトロリーバスではなく、大型の白いバスが来るから、それに乗るように、という説明だったようだ。
40分ほど時間があったので、2時半の便に乗ればよいのだと確認し、買い物へ向かった。
ショッピングモールは、思っていたよりも寂れた印象で、正直あまり好みではなかった。スーパーマーケットやドラッグストアは大きく、品揃えも豊富で、見ている分には楽しい。喉も渇いていたので、ジュースを買った。
一方で、オフィスが閉まっていたり、休みの店舗があったり、少し柄の悪い人がたまっているように見える場所もあり、全体としては寂しいモールという印象が残った。海外旅行では、こういう感覚を無視しないことも大切である。何となく落ち着かないと感じる場所には、長くいない方がよい。
2時半頃、バスが来た。そこで「日本人ですか」と聞かれた。相手は現地の人にしか見えないような雰囲気だったが、日本語で「オッケー」と言われ、少し面白かった。その人はプライベートツアーのバスに乗っていたようで、別の人が大型の白いバスを持ってきてくれ、それに乗って町の方へ戻った。
帰り道では、同じ景色を今度はエアコンの効いた大型バスの中から眺めた。無料でこれだけ移動できるのは、ありがたいことである。ただ、道は細く、渋滞はなかなかひどかった。途中で車椅子の方の乗り降りがあり、その間、車の流れは止まった。しかし、バスの中を見ると車椅子利用者を乗せる仕組みがとても機能的に作られていて、そこにアメリカらしさも感じた。
町中でバスを降り、Safewayへ向かった。途中、コーヒー屋さんでアフォガートを頼んだ。アイスクリームはとてもおいしかったのに、他の予約作業などに追われて、よく味わわないまま食べてしまった。
焦ったり、いらいらしたりすると、目の前の楽しみがおろそかになる。いろいろなことを同時にこなして充実感を得る時期は、もう終わったのかもしれない。今は、ただのんびり楽しく旅をしたい。そう思うなら、もっとゆったり構えてよかったのだ。
Safewayへ行く途中、少し裏側の道に入ってしまい、環境があまりよくないと感じた。何事もなかったが、アメリカで暮らしていた頃の経験から考えると、そういう場所にはわざわざ行かない方がよい。旅先では、危ないかもしれないと思った時点で、引き返す判断が大切である。
その前に郵便局へ寄り、スタンプを買った。セルフサービスと書いてあり、本当にセルフサービスで完了できたので、思わず笑ってしまった。16時に閉まる時間だったため、ちょうど窓口は閉められていたが、奥にはお客さんがいて、郵便局そのものはきちんと機能しているようだった。セルフサービスの仕組みも便利で、アメリカらしい合理性を感じた。
Safewayに入ると、さすがに広く、品物がたっぷりと並んでいて、見ているだけでも楽しかった。同じケチャップひとつをとっても、減塩、無塩、オーガニック、オールナチュラルなど、いくつもの種類がある。選択肢の多さに少し疲れる一方で、消費者の細かなニーズをすべて取り込み、そのメーカーの商品を選ばざるを得ないようにしていくマーケティングの力には感心した。
ただし、価格はやはり高く感じた。以前のアメリカの価格を知っているため、余計にそう思うのかもしれない。物価は上がり続けており、昔の値段の感覚のままでは、頭がついていかない。旅は、こういう経済の変化も容赦なく見せてくる。
買い物をして、ブラウンバッグに詰めてもらった。すると、その紙袋には取っ手がついていた。ブラウンバッグも少し進化したのだなと、苦笑いした。袋に詰めてくれたお兄さんが、日本語で「ありがとう」と言ってくれたのも、なんだか嬉しかった。
8 夜のホテルバー ルアウを見送り、軽い夕食で一日を閉じる
ホテルへ戻り、少し座って休んだ。買い物の荷物を置き、翌日以降の計画を確認しながら、本当にのんびりとした時間を過ごした。
夜は、昨日見ようと思っていたルアウショーを調べた。ところが、この日は開催していないことがわかり、さらに予約料金を見ると、1人180ドル以上であった。ドリンクなどを含めると、1人3万円ほど、3人では10万円近くになるかもしれない。
ショーと食事込みとはいえ、そこまでの金額となると気が引けた。しかも、ホテルのバルコニーから雰囲気だけは見ることもできる。そう考えて、この日は見送ることにした。料金、開催日、内容は要公式確認。
夕食は軽めにすることにして、ホテル内のレストランまたはバーで、ドリンクを飲みながら少しつまめるものを頼むことにした。1階のバーで、ココナッツシュリンプとフィッシュサンドイッチを注文し、3人で分けた。あとはそれぞれビールなどを飲む。
私はパイナップルサイダーを頼んだ。これがなかなかおいしかった。サービスもよく、料理もきちんとしていて、ホテルのレストランにありがちな「高いだけで少し物足りない」という感じはなかった。むしろ、とても快適に過ごすことができた。
チップについては、最初からパーセンテージが印刷されていて、それをチェックする方式になっていた。便利ではあるが、少し味気ないとも思った。チップを考えることには、サービスへの評価や駆け引きのようなものがあり、それもアメリカの食事の一部であった。いまはそれが仕組み化され、考える余地が少し減っている。
もっとも、旅人として疲れている夜には、そうした簡略化もありがたい。食べて、飲んで、部屋へ戻ると、もうすっかり疲れていた。そのまま、すぐに眠ってしまった。
9 結び 王国の海と、現代のハワイを同じ一日に見る
この日のコナは、派手な観光を詰め込む一日ではなかった。
ゆっくり起き、海辺を歩き、カメハメハ大王ゆかりの地に立ち、教会と王族の館を訪ね、港町の人の流れを眺めた。昼にはブルーチーズのハンバーガーとフルーティーなビールを楽しみ、午後にはバスに揺られ、ショッピングモールとスーパーマーケットで現代のアメリカを見た。
ハワイは美しい。けれど、それだけではない。王国の記憶、宣教師の歴史、観光産業、クルーズ客船、物価の高さ、バスの仕組み、モールの寂しさ、ホテルバーの快適さ。そうしたものが一日の中で次々と現れた。
旅とは、名所を消化することではなく、土地の光と影を同じ目で見ることなのだと思う。
カイルア湾の静かな海は、朝と同じように夜もそこにあった。王国の中心であった海を、現代のホテルの明かりが照らしている。その少し不思議な重なりを眺めながら、コナの一日は静かに終わった。

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